C通信90 : ボディープロレス,あるいは死者のための肉体の奉納

  かざらないプロレスはうつくしいにくたいがからみあったすがたはこうごうしくもあるプロレスラーはあいてとおしあいへしあいしながらかたちをつくるにくたいのあらゆるぶいをそうどういんしてあいてをぶちのめしながらきづかいあいてをだきしめながらなげとばしのうではくからだできりひらく

C通信 89: 死者の町 ネクロポリ

第二章 死者の町 ネクロポリ Necropoli  ネクロポリは小高い丘の上にあり、あたりはしーんと静まり返っていた。  何もない空間に道が浮かんでいて、それをたどっていくとネクロポリの入り口に着くようになっている。ウサギの前を、無言の死者たちがうねるような列をつくって町のなかへと入っていった。西のかなたにあるこのネクロポリは圧倒的に戦争の犠牲者が多い。戦争とは公の殺しあいである。だからその死者たちは、殺したほうも殺されたほうもその理由を知りたがっていた。生者の戦争の論理は…

C通信88:月のウサギが転送される

月のウサギが地球に転送された。計画は達成されたがひとつ問題があった。転送されたところが戦争地帯で、あたりには砲弾が鳴り響き、大地には月と同じようなクレーターができていた。ウサギは荒野を逃げまくった。ウサギの大きなミッションは死者の国の前に立つことである。そうして死者を迎えるのだが、ここではそれが逆転しまっていた。おびただしい数の死者がウサギを待ちわびていた。ウサギは荒野を走った。

C通信87: 月面上空のオリヅル号

宇宙船は月面上空で3次元のオリヅル号となって現われる。 着陸の後、ウサギの影を送るためのシダ型アンテナが設置された。

C通信86 : 2次元にもどってやり直す

第一章 月のウサギを運ぶ 月のウサギは影に過ぎないが、影があるからには実体がある。この計画は2次元の影を地球に移送し、実体化する計画である。宇宙船はまず2次元上で月に行く。

粒子の集合体 Aggregation of particles

粒子の集合体としてしての人間、 物質の構成要素としての粒子の集まりがなぜ生命体となったのか? 意識は量子的宇宙に生じる物理的特質のひとつなのか? ひょっとすると粒子のひとつひとつが意識のようなものをもっているのではないか。 あるいは粒子であり波動でもあることが、生の始まりとなるのか? The human being as a collection of particles,How did a collection of particles as the building b…

C通信  COVID-19 TRANSMISSION DRAWINGS  Exhibition          

コロナのパンデミックとともに始まったC通信がNo.83で完了し、その展示をすることになりました。サイトではすでに「C通信」としてアップしているものですが、約150点のドローイングと39000字のテキストからなり、会場では冊子とインデックスによって全体を見ることができます。展覧会詳細はこのサイトのNEWS、または GALLERY MoMo のサイトから。 《C通信ドローイング》の構造について 山本和弘  長沢秀之の《C通信ドローイング》の第一の特質は、焦点のボケた画像であるこ…

C通信84 岩石 GANSEKI

(つぶやき、または声に出して) かいかせき、せんりょくがん、れきがん、くろうんもかこうがん、せきえい、れきせいたん、かってっこう、かざんれき、ほるんへるす、きせきあんざんがん、さがん、けつがん、すいしょう、かっせき、ほたるいしはくうんも、じゃもんがん、ふがん、せきぼくへんがん、ぎょうかいがん、だいりせき、ほうえんこう、げんぶがん、りゅうもんがん、こうようせき、せっこう、ちょうせき、じてっこう、ねんばんがん、ぼーきさいと、おうどうこう、おうてっこう、きんこう、まんがんこう、む…

C通信46 がらんどう Mr.U and the empty eyes

そこの人たちの眼はがらんどうで、そこから向こうの海の風景が見えた。 The eyes of the people there were blank, and from there I could see the seascape beyond.

C通信52. 宇宙人の墓 Tomb of the extraterrestrial

宇宙人アセファールは地球の墓石に憧れた。生命をもった人間が墓石に化石化(!)するのを見て、恍惚となった。そうして自分たちも石になりたいと考えた。だから「宇宙人の墓」は死んだ宇宙人が弔われるものとしてよりは、彼らの未来への出発地点のようなものだった。彼らはここから地中に潜り、その物質となることで宇宙と繋がった。アセファールにとって石は無生物というよりは宇宙とつながる手だてのひとつだった。