C通信97 生成AIによるアセファル宇宙人像

*アセファル宇宙人について:C通信48参照 かたちをもたないであらゆるものに入り込む。着ぐるみのキャラのなかや容器のようなもの、さらにことばや音のなかにも入り込む。 アセファル宇宙人                                         「最近はにんげん人の世界にかたちをもたない“生成AI”が出てきた。こちらもかたちがないからよく間違われるけどちょっと違う。もっと根本的なことで言うと、“あらゆる文明はかたちを失う”というのがアセファールの惑星の結論…

C通信95 珊瑚人と岩石人の会話

珊瑚人「だからさ、生きているのも大切だけどあるのも大切なんだよ・・・あるだけでいいのよ。岩石人のようにそこにあるだけでいいのよ」 岩石人「嬉しいことを言ってくれるなあ。地中の奥深くで高圧力と温度のなかで変成してきた甲斐があるよ。 いやそれこそがおれたちの輝かしいボディなんだけどな。珊瑚人だってすごいよ。あんたのボディーも粒子の集まりが星をつくっているような感じがあるな」 珊瑚人「原始的よね」

C通信93. 岩石人

岩石人は生きものではないがひとのかたちをしている。岩石人は主に6つの主要な造岩鉱物である石英、長石、黒雲母、角せん石、輝石、橄欖石とそのほかの副成分鉱物からなる。死者だけがこの姿を見ることができる。一方アセファル宇宙人はかたちをもたない。地球では着ぐるみのなかにいることが多いが化石にもなれる。

C通信92. マイロナイト 岩石人 Mylonite

   ネクロポリの死者から見たら岩石も生きている。生者から見れば無生物、ただの岩石でしかないものがまるで人のように生きていてその存在の光を放っている。それをマイロナイト岩石人と名づけよう。  マイロナイト岩石人は断層のなかで生きてきた。地上から10キロメートルから15キロメートルの深い地中のなか、300度を超える高温、高圧のなかでその一部の鉱物が再結晶しながら流動してこの岩石人が誕生する。  もともとは花崗岩ではあるが高温と凄まじい圧力でそれに含まれる石英などが細かい粒子と…

C通信91 死者の街の生者 The Living and Necropolis

死者にとってネクロポリは生者の街にほかならない。ここに来る生者は全身フサフサして黒っぽく、鬼を肩車しながら小人のプロレスラーのようにすばしこく振る舞う。それは死者にしかわからない。生者には石しか見えない。 For the dead, Necropolis is nothing more than a city of the living. The living who come here are all fuzzy and dark, and act impolitely …

C通信89 月のウサギが荒野を駆ける The Moon Rabbit Runs in the Wilderness

 月にウサギがいる、という伝説は探査船が着陸する今となってはあまい夢物語でしかない。月のでこぼこは宇宙からの隕石衝突の痕であり、そこが死の世界であることをかたちで示している。もしもそこにウサギがいたら、降り注ぐ隕石の嵐のなかを逃げ惑ったであろうし、そもそもそれは生物の誕生以前の話であり、いきなりウサギがそこにいるはずもない。  それでもウサギは存在する。死の世界ゆえにウサギは存在する。月にウサギの影があるのだからウサギは現実に存在するのだ。  宇宙のはるかかなたには超新星の…

C通信88 月面上空のオリヅル号 Orizuru over the surface of the Moon

 宇宙船オリヅル号は月の上空にいる。死者が操縦する宇宙船は月でウサギを探すためにやってきた。  最初の宇宙飛行士たちの足跡は1000万年はそのままの姿で残されるはずだ。つぎの宇宙飛行士や着陸船がそれを吹き飛ばさない限り・・・しかし最初の足跡自体が40億年前からある月面に変更を加えたのだ。

C通信87 放散虫と石 Radiolaria and Stone

 アセファールは石になることを実行に移す。ヒントになったのは放散虫とチャートの関係である。放散虫は小さなアメーバ状の体のなかに、二酸化珪素(=SiO2)の骨格を持つ原生生物で、死んだあとに海底に堆積した骨格が長い年月を経てチャートになる。カルシウムではなくガラスの骨格なのだ。チャートの主成分は二酸化珪素で、石英と同じく無色透明だが、含まれる不純物によって色が変わる。よく見られる赤いチャートは鉄分によってその赤色を得る。  アセファールが注目するのは放散虫の堆積速度である。無…

C通信86 粒子の集合体 Aggregation of particles

粒子の集合体としてしての人間、 物質の構成要素としての粒子の集まりがなぜ生命体となったのか? 意識は量子的宇宙に生じる物理的特質のひとつなのか? ひょっとすると粒子のひとつひとつが意識のようなものをもっているのではないか。 あるいは粒子であり波動でもあることが、生の始まりとなるのか? The human being as a collection of particles,How did a collection of particles as the building b…

C通信  COVID-19 TRANSMISSION DRAWINGS  Exhibition          

コロナのパンデミックとともに始まったC通信がNo.83で完了し、その展示をすることになりました。サイトではすでに「C通信」としてアップしているものですが、約150点のドローイングと39000字のテキストからなり、会場では冊子とインデックスによって全体を見ることができます。展覧会詳細はこのサイトのNEWS、または GALLERY MoMo のサイトから。 《C通信ドローイング》の構造について 山本和弘  長沢秀之の《C通信ドローイング》の第一の特質は、焦点のボケた画像であるこ…