C通信 113: 土は知っている

  なぜアメリカを相手にしたら勝ち目はないとわかっていながら開戦にいたったのか?それは日露戦争から始まる、ロシアに対する脅威、中国民衆の反日感情への見誤り、英米の対応への見誤り、軍部の暴走、日本国内の熱狂もある。そうした失敗を反省し、その責任を取ること、それがない。 東条「撤兵問題は心臓だ。米国の主張にそのまま服したら支那事変の成果を壊滅するものだ。満州国をも危うくする。さらに朝鮮統治も危うくなる。支那事変は数十万人の戦死者、これに数倍する遺家族、数十万の負傷者、数百万の軍…

C通信 112: 地層

地層のほとんどは海底にあったものが隆起してできた。降り積もった生物の死骸が幾重もの層になり、それがプレートの力で褶曲され露出している。にんげん人たちは幾重ものその層の数ミリの層を形成するだろう。そのまた極小の層として戦争の跡も虐殺の跡も刻まれる。                      何万年、何千万年も経ってそれらの層は変異として現われるだろう。6600万年も前に地球に隕石が衝突し、恐竜たちが絶滅したことを表すK-T境界のようにたしかに層は形成されるはずだ。だがそれを見…

C通信 111: 猿人、原人、旧人、新人

最古の化石人類は約700万年前のサヘラントロプス・チャデンシス(下段)。このころ、直立二足歩行を始め、人類の祖先はチンパンジーの系統と分岐する。しかしその脳容量はチンパンジーとさして変わらなかったようだ。初期の人類が生きていたころに地球上で最も知能が高かったのはイルカらしい。しかし200万年前ぐらいにホモ属が現れるとともにその脳容積は増大する。人類の進化は簡単に猿人から原人、旧人、新人へとなったと言われるがそんなに簡単なものではなく、猿人と原人の時期は重なってもいる。 上段…

C通信 110: 銀河系に横たわるひと

銀河系に横たわるほどの、はるか大きなひとがいるとする。それが足を動かそうとすると脳の指令が足につくまでに10万年もかかってしまう。そのような生きものはありえないだろう。つまり生きものとは宇宙レベルで見たら惑星の表面にしか生息しない小さなものなのだ。たとえ恐竜のような巨大な生きものでさえも。ではそのような存在はなんなのか?                                その横たわるものは死者でしかあり得ない・・・ ・・・というところがひとの思考、生きもの考えう…

C通信 109: 石化した電波望遠鏡

石化した電波望遠鏡・・・機能はないが・・・風化によって・・・時間を観測する・・・万年の、千万年の時間・・・もうだれもいない・・・だから時間も必要なくなった・・・かたちはある・・・ただそれだけ・・・

C通信 108: 石化の練習

  アセファルは着ぐるみのなかにいた。ただ日常は台所の炊事用ゴム手袋のなかにいて石化の準備と練習をしていたようだ。アセファルから見ると着ぐるみや手袋は特別な存在で、地球人の言う生物、無生物の区別を無効にするものであった。だからまずは日常にあるゴム手袋のなかで石化の実験を始めた。 アセファルによるとにんげん人の石化も参考になると言う。かつての小学校の校庭にあった二宮金次郎像のヴァリエーションはアセファルを驚かせた。アセファルはこれを燃料を背負って空中飛行をする少年がそのマニュ…

C通信 107: 戦車の石化 Turning tanks into fossils

I am working on turning a tank into a fossil (in two dimensions) First, I recombine the particles that make up the tanks and then accelerate time. However, this is also the result of a collision between two time systems, so what is created…

C通信106: 犬岩

銚子市の犬若にある犬岩は約2億年前の地層とされる。アセファル宇宙人はその星時間の約200年前にこの地に降り立っていた。

C通信104,105: 石化の方法

 石化の方法は科学では不可能だ。地球上で化石ができるのには10万年はかかる。この時間の壁はどうしようもない。しかしすべてを貫く統一した時間というものはほんとうは存在しない。もちろん個々の時間はあるだろう。地球の時間、ひとの時間、動物の時間。  小さなネズミの時間は大きな動物の時間に比べて短い、つまり短命と言われているが、その時間はたとえばゾウの時間とは違うのだから、ネズミ自身は短いとは感じないだろう。ひとはそれぞれに時間を割り振っているが、それはあくまでもひとの時間を基準に…

C通信 103: Line

・・・途中でそれを消してもう一本の別の線を引く・・先の線は間違いではないがあまりよくない・・それはそれで残る・・線には呼吸の跡が残る・・指先はその呼吸の満ち引き、感情のかすかな揺れをすべて引き取りながら線をつくろうとする・・再現不能のそのときだけのものとして・・・ボディーは幽霊としてひきさがり、Lineだけが残る・・・