死者と石は平等である。すべての死者は石の声を聞き、植物の声を聞き、生物、無生物の分け隔てなくその声を聞くことができる。石の表面に現われた徴は、それを見るものへのメッセージであり、投げられたうたでもある。植物の緑のきらめきもまたしかり。これらはかすかではあるが、はっきりとしたその声なのだ。
死者はまた、時間を遡り、あるいは時間を進んでその日、そのときの幽霊に会う。 幽霊は時間をさまよっているので、死者はそれぞれに石を渡す。そうして幽霊は記憶を石に託す。
もっともめざましいのは、そのとき死者が生者とともになっていることだ。