C通信 120: ネクロポリからひとウサギの部屋へ

C通信 120: ネクロポリからひとウサギの部屋へ

2023年11月11日

 

オレたちはネクロポリを経て、またひとウサギの部屋にたどりついた。いや、たどりついたのではなく離れようとしていたのかもしれない。だからひとウサギはもう何もことばを発することもなく、しずかにこたつに入っていた。

オレとソイツは死ねなかったのか?それともボディーを得てほんとうに死者になることができたのか?それはわからない。たしかなことはオレたちが石と話ができるようになったことだ。脳を捨て、バラバラになった身体を石や植物や動物に投げ出した。

アセファル宇宙人は石化の練習に明け暮れ、ついに石になることができた。といってもアセファルはそもそもかたちを失っているからそれも長くは続かない。アセファルの時間はにんげん人の時間とは比較にならないほど長い。その時間がぶつかったときに一瞬の石化が可能になる。銚子にある犬岩はその例外で2億年前の岩からできていていまだにそこに残っている。