C通信 96: 放散虫と石 Radiolaria and Stone
アセファールは石になることを実行に移す。ヒントになったのは放散虫とチャートの関係である。放散虫は小さなアメーバ状の体のなかに、二酸化珪素(=SiO2)の骨格を持つ原生生物で、死んだあとに海底に堆積した骨格が長い年月を経てチャートになる。カルシウムではなくガラスの骨格なのだ。チャートの主成分は二酸化珪素で、石英と同じく無色透明だが、含まれる不純物によって色が変わる。よく見られる赤いチャートは鉄分によってその赤色を得る。 アセファールが注目するのは放散虫の堆積速度である。無…