C通信 109: 石化した電波望遠鏡

石化した電波望遠鏡・・・機能はないが・・・風化によって・・・時間を観測する・・・万年の、千万年の時間・・・もうだれもいない・・・だから時間も必要なくなった・・・かたちはある・・・ただそれだけ・・・

C通信 108: 石化の練習

  アセファルは着ぐるみのなかにいた。ただ日常は台所の炊事用ゴム手袋のなかにいて石化の準備と練習をしていたようだ。アセファルから見ると着ぐるみや手袋は特別な存在で、地球人の言う生物、無生物の区別を無効にするものであった。だからまずは日常にあるゴム手袋のなかで石化の実験を始めた。 アセファルによるとにんげん人の石化も参考になると言う。かつての小学校の校庭にあった二宮金次郎像のヴァリエーションはアセファルを驚かせた。アセファルはこれを燃料を背負って空中飛行をする少年がそのマニュ…

C通信 107: 戦車の石化 Turning tanks into fossils

I am working on turning a tank into a fossil (in two dimensions) First, I recombine the particles that make up the tanks and then accelerate time. However, this is also the result of a collision between two time systems, so what is created…

C通信106: 犬岩

銚子市の犬若にある犬岩は約2億年前の地層とされる。アセファル宇宙人はその星時間の約200年前にこの地に降り立っていた。

C通信 103: Line

・・・途中でそれを消してもう一本の別の線を引く・・先の線は間違いではないがあまりよくない・・それはそれで残る・・線には呼吸の跡が残る・・指先はその呼吸の満ち引き、感情のかすかな揺れをすべて引き取りながら線をつくろうとする・・再現不能のそのときだけのものとして・・・ボディーは幽霊としてひきさがり、Lineだけが残る・・・ 

C通信 101: アセファル宇宙人会話、生成AI

*アセファル宇宙人について:C通信48参照 かたちをもたないであらゆるものに入り込む。着ぐるみのキャラのなかや容器のようなもの、さらにことばや音のなかにも入り込む。 アセファル宇宙人  「最近はにんげん人の世界にかたちをもたない“生成AI”が出てきた。こちらもかたちがないからよく間違われるけどちょっと違う。もっと根本的なことで言うと、“あらゆる文明はかたちを失う”というのがアセファルの惑星の結論なんだ。もちろんどの惑星の文明も道具を発明しそれを利用してきたから、それはかたち…

C通信 98: いること、あること

生きものはいるのであってあるのではない。あるのはものであり命を持たないものだ。犬がそこにいる。石がそこにある。しかし植物はそこにいるのではなくそこにある。珊瑚は動物なのにそこにある。百舌がいる。ライオンがいる。オタマジャクシがいる。その卵がある。テレビがある。テレビのなかに人がいる。モナリザの絵がある。絵の中に人がいる。お月さまがいる。お天道様がいる。神さまがいる。太陽がある。ウイルスは元は生命なのに今はもの、これはいるのかあるのか?細菌はいる?腸内微生物はいるが腸はある。…

C通信 97: 珊瑚、岩石、アセファル宇宙人

珊瑚「アー、にんげん人ってなんなのよーっ、命の大切さばかり言って・・そのわりには平気で殺し合いをするんだから・・・しかも武器を使って殺したりする・・・どうなってんの?」 岩石「ムー、おれたちの何億年の時間から見たら、今はにんげん人がはびこっている特殊な時期なのかもしれねえな。たしかにあいつらいつも命、命だ。生命体なんだからしょうがねえにしてもなあ。おれたちはそこじゃあ命がない無生物っていうことになるんだけどさあ、たとえばカルシウムが超新星爆発で生成されて今は生命を支える骨と…

C通信 92 : 死者の招喚

   1923年、関東大震災で旧陸軍被服厰に避難し火災旋風によって焼死 1945年、特攻隊少年飛行兵として戦死 1945年、ひめゆり学徒として動員され、砲弾に当たって死去 1961年、大鹿村大西山の崩壊(三六災害)のがけ崩れで死去 

C通信90 : ボディープロレス,あるいは死者のための肉体の奉納

  かざらないプロレスはうつくしいにくたいがからみあったすがたはこうごうしくもあるプロレスラーはあいてとおしあいへしあいしながらかたちをつくるにくたいのあらゆるぶいをそうどういんしてあいてをぶちのめしながらきづかいあいてをだきしめながらなげとばしのうではくからだできりひらく