コロナと絵
2020年3月末にC通信1を立ち上げ、現在C通信35まできた。この時系列でのドローイング一覧はNews(お知らせ)欄から、その文章も含めた全体はブログのcategories C通信から見ることができる。 C通信が始まってから、もう4ヵ月以上も経った。“自粛幽閉”で遠出ができないままにじっとしていると、時間が経つのが早すぎてあいだの記憶が飛んでしまったような気がする。神戸の展覧会も中止になり、展示に文をよせてくれたひとたちにはひたすら御免と言うほかない。 その間、弱ってい…
2020年3月末にC通信1を立ち上げ、現在C通信35まできた。この時系列でのドローイング一覧はNews(お知らせ)欄から、その文章も含めた全体はブログのcategories C通信から見ることができる。 C通信が始まってから、もう4ヵ月以上も経った。“自粛幽閉”で遠出ができないままにじっとしていると、時間が経つのが早すぎてあいだの記憶が飛んでしまったような気がする。神戸の展覧会も中止になり、展示に文をよせてくれたひとたちにはひたすら御免と言うほかない。 その間、弱ってい…
5月連休明けの神戸KIITOでの展覧会が延期になった。これは世界各地のコロナウイルスの爆発的な感染状況を追いながら、一ヵ月前から自分でも要望していたことでもあるからしかたない。何人かはこのようななかだからこそ、ひとりひとりが見に来る展覧会などはやるべきだと言う。これに対する反論もある。ぼくがとったのは個人的な理由で、感染したらアウトになる事情があったからだ。展覧会を見る立場になれば何も問題はないが、それを設営するとなると、多くの人との共同作業があり、都心に行って、新幹線に…
アートはどこかで現実にコミットしていなければ生きのびていけない。だから今、アートは極めてむずかしい立場に立っている。趣味の世界の「アート」は相変わらずもてはやされているが、括弧のないアートが成立するのはここ日本ではむずかしい。 ところが奇跡のようにここでアートが成立している現場を見た。神戸TRANS−展でのグレゴール・シュナイダーの<<美術館の終焉−12の道行き>>と題された展覧会。全部で12箇所の展示があり、それぞ…
サイトの作品のページ、Paintingsを更新しました。今まで過去作としてきたものを80年代作品と90年代作品に分け、それぞれ30点ずつをアップ。また同年代の小品も掲示しました。 以下はそれに関連した展示のお知らせです。 関西の国立国際美術館では11月3日(土)から来年1月20日(日)まで「ニューウェーブ 現代美術の80年代」が開かれる。趣旨にあるように“1990年代、2000年代と下るうちに、どのように変化していったのか”が見れるといい。 私の考えでは80年代は絵画の“…
作品「ゼロ時間」について:長澤 「切った石の切断面はどこにも出ていないんですよ。我々があれを見たときに石の表面しか見えないですね。その裏返しになった世界が蜜蝋なんですよ。あれは反対側に開かれている世界なんですね。あれが閉じると蜜蝋から何から、すべて石の中へ入っていっちゃう、完全に独立した世界になっちゃうということなんです」「だからこれも、空間というよりは時間の問題に入ってくるわけですよ。我々と完全に断絶したもう一個の世界ができちゃうと言う、そういう考えで「ゼロ時間」という…
対話「私が生まれたとき」奄美編の展示が始まりました。画像はギャラリーでのフロアトーク(25日(日)午後2時より)の様子です。今回のトークの特徴は、私が作品だけでなく、文章を書いてくれた参加者の皆さんと文字通り対話しながら進めることができたことです。思いがけないことや今まで一度も会ったことがないのに、確かに会ったような気持ちになるなど不思議な体験をしました。 古びた写真に映っている人はこちらを見ています。私たちはそれを見て「あ、これは小さいころの私だね」とか「誰それさんだね…
今年のムサビの卒業制作と修了制作の中から気になった作品をとりあげたい。作品の展示から3週間も経つと、もう記憶が薄れていくのを感じるが、その中でもやはり忘れられない作品もある。そのひとつが中村葵のビデオ作品だ。 スクリーンには作者とおぼしき身体が斜めに大きく映し出されるが、それ自体はあまり動かない。右上の赤い唇だけが頻繁に動き音声=言葉を発しているのだが、その言葉はきれぎれの言葉で通常の人間が話すような言葉ではない。その内容は、かつて自分の町でおきた蜉蝣の大発生につ…
油絵研究室スタッフ研究発表展#5「スチール」 岩﨑 由実 | Yumi Iwasaki2017年12/4 (Mon) – 12/14(Thu) 11:00 – 17:00会場:2号館1階FALとてもいい展示になっています。以下、展覧会に寄せた私のコメントです。 油絵の具で絵を描こうとするとき、どうしても突き当たる問題があり、それはその物質性の問題であったり、風土の問題であったりして、そのまま西洋絵画の技法を応用しようとしてもうまくいかない。 岩崎は生キャンバス…
未来の幽霊ー長沢秀之展 Ghosts of the Future の制作映像をアップしました。(展覧会会場で流れていたもので、画面を回転しながら描く過程を記録し、動画とした。)
未来の幽霊 会場:一階アトリウムⅠは1980ー1990年代の風景シリーズから、展示室2は対話「私が生まれたとき」(2015年)、対話「私が生まれたとき」奄美編 (2016年)、「心霊教室」(2013年)のドローイングからなる。 二階展示室3は「PAINTING on Painting」(2012年)、「絵画のなかのあらゆる人物は亡霊である」(2014年)、「未来の幽霊」(2017年)からなる。