対話「私が生まれたとき」奄美編の展示が始まりました。画像はギャラリーでのフロアトーク(25日(日)午後2時より)の様子です。今回のトークの特徴は、私が作品だけでなく、文章を書いてくれた参加者の皆さんと文字通り対話しながら進めることができたことです。思いがけないことや今まで一度も会ったことがないのに、確かに会ったような気持ちになるなど不思議な体験をしました。
古びた写真に映っている人はこちらを見ています。私たちはそれを見て「あ、これは小さいころの私だね」とか「誰それさんだね」とわかります。目が合って一瞬気持ちをかわしたような感じにもなることでしょう。同じように、私たちが今写真に撮られたとしても、それは未来の誰かに届いて、私たちがそうするのと同じように視線を交わし、言葉を交わすのです。そうした感情は写真を見ているだけでは弱く、あまり感じられません。写真は過去のもので、未来とはつながらないからです。そこで写真を描くという新たな時間が必要になってきます。描くことによって過去の時間はこの現在と繋がり、そのことが未来の時間につながってくるのだと思います。