

絵がつくられた後のつぶやき:
盲目の宇宙飛行士は、フライトの最初は恐怖以外の何ものも感じなかったと言う。地球上の生物が初めて目を獲得しようとしていたカンブリア紀(5億4000万年前~)もこんな感じだったのだろう。視覚がない無重力空間では自分の体の感覚も失う。青い地球の美しさに感動することもない。宇宙線を光の粒子として見る現象のためか、脳の奥深くでパチパチと弾ける網膜フラッシュがある。そして自分の体が宇宙に溶け込んでいくような、あるいは体が延長していくような感覚を感じた。太陽光は窓際から伝わる熱として感じ、宇宙から降り注ぐ電波や重力波、放射線も体で感じる。何もない空間、いやそもそも空間という概念が存在せず、自分は宇宙のスープに浸っているようだと言う。宇宙は遠くで起こっていることではなく、全てが繋がって、自分の体の内部が直接震わされている感じだ。
一方で自分が宇宙に送り込まれたことの科学上の不安も感じていた。イルカのエコロケーションのように音で形や空間を捉えることの人間での実験なのではないだろうか?電磁波も空間として捉えるのか?あるいは一部の渡り鳥に見られるような量子センサーによって地球の磁場を感じ取る能力を、人間の細胞レベルでの可能性として実験されようとしているのでは、と。