C通信49. 地球外生物

C通信

宇宙人アセファールはかたちをもたない。感情も持たない。記憶ももたない。そして変化する。つまり地球人と交信不可能だ。一応着ぐるみのなかにいて外見上のかたちは保っているが中身のほんとうの姿はわからない。ところがそれは確実に変化する。そのように見せるところがアセファールの最大の能力なのかもしれない。地球人はそれを見て変化ととらえる。変化とは、あるかたちが変化し、はじめのAという文脈がBという文脈に変わることでそこに意味を見つけるからだ。ところがアセファールに意味はない。もともと交…

C通信77. 岩にはなを せせらぎに唇を

C通信

オレたちはボディーを見つけることができたのだろうか?ひとウサギはそれがないと死者になれないと言った。はたしてオレたちはボディーを見つけてそこにたどりつくことができたのか?オレたちは手を集め、足を集め、腕を集め、骨を集めた。耳を、鼻を、目を、指を集めた。そうして集めた四肢を世界にばらまいていった。そうして死者がいつでもこの地から生まれでることができるようにそれらを正確にばらまいた。同時に時間を組み立て直した。少なくとも線時間を解きほぐし平面上にばらまいた。その時間図では生者も…

C通信75. 生者も死者も

C通信

生者は死者とともにある。死者が生者に取り付いているのではない。死者の空気のなかに生者が息づいている。量子レベルでは生者も死者も変わりなく、ただその秩序が維持されなくなっただけで、宇宙のエントロピー増大という不可避の進行のなかでは両者はつながっている。生きものはすべて物質になる。感情や心をもたない物質になる。物質にとって生者は、輝ける偶然のようなものである。最初の宇宙に水素やヘリウムはあったが他の元素はなく、恒星の爆発や重力によって他の元素が生まれたように、物質は変成し生成す…