秋田蘭画≪おくゆき≫わたし
「不忍池図」小田野直武 “これは空なのか、それとも地(背地[バック])なのだろうか 小田野直武の「不忍池図」*1を見たときの衝撃は今でも忘れることはできない。「不忍池図」には“おくゆきはなぜできるのか”という私自身の絵画への興味の原型があり、2次元と3次元の変換の問題がある。さらには、日本絵画と西洋絵画との接点としての意味もあるだろう。そんなことを確信したのを覚えている。ここではそれらの事柄を絵に即して述べていきたいと思う。 まず、「不忍池図」であるが、秋田蘭画の特…