
二次元物体の絵をつくることは肉体労働である。それは肉体が物質と格闘する作業であって、頭脳労働ではない。その根底には人間(生物)と物質(無生物)の出会いがあり、物質をどうするのか?という問いを抱えている。媒介(medium)となるのは絵の具という物質であり、これを通して物質が単なる物質ではないものになることを目指す。
肉体が動いて物質が変化する。えのぐをつけ、えのぐをおき、えのぐの混じった混乱を引き寄せて、ひたすら絵をつくることに向かって体を動かす。勿論最初の大きなコンセプトのようなものは存在するが、あるものを描く目的で体を動かすことはしない。
これはスポーツをやるのと同じようなもので、その途中で考え事をしたりせず、動くことに集中する。だからその肉体に何が刻まれているか、それを体がどう動いて表すのかによってつくられるものが決まってしまう。
といってもこれは肉体を鍛えるとか、強い肉体を持つとかそういうものではない。弱くても小さくてもよい。だいたい、現代の人間の肉体は以前の人のそれとは違うし、ほとんどの人が身体の延長としての道具やデバイス、AIを使っているのだから、多かれ少なかれサイボーグの肉体になっている。それでも構わない。少しばかりの肉体でも労働はできるし、二次元物体の絵はつくることができる。
