C通信46- Uさんとの邂逅、がらんどうの目 Mr.U and the empty eyes
そこは半島の突端のようなところだった。崖と浜に挟まれた下り坂の道を進んでいくと上り坂になって町に入るようになっている。ぼくと宇佐美さんはいまスクーターに乗って突端にある町の城塞をめざしているのだ。なぜかというと、その城塞から何人ものひとが空中に浮かび、空のほうに吸い込まれていくのが見えたからだ。ぼくはすでに坂を降りて上り坂にさしかかっていたが、宇佐美さんはまだ下り坂をおりていない。だからぼくの前には宇佐美さんの姿は見えないが、夢のなかでは宇佐美さんがスクーターに乗って走る後…