C通信104,105: 石化の方法

C通信104,105: 石化の方法

 石化の方法は科学では不可能だ。地球上で化石ができるのには10万年はかかる。この時間の壁はどうしようもない。しかしすべてを貫く統一した時間というものはほんとうは存在しない。もちろん個々の時間はあるだろう。地球の時間、ひとの時間、動物の時間。

 小さなネズミの時間は大きな動物の時間に比べて短い、つまり短命と言われているが、その時間はたとえばゾウの時間とは違うのだから、ネズミ自身は短いとは感じないだろう。ひとはそれぞれに時間を割り振っているが、それはあくまでもひとの時間を基準にしているにすぎない。 アセファル宇宙人はかたちがない。しかしその時間は特異だ。アセファルの時間は地球とは違い、約100万倍も早いから地球人から見るとかたちがないように見える。                                       あるものを化石にするにはまず対象を粒子に組み替え、そこに時間を詰め込む。地球の10万年をあっという間に経過させ、たちどころに化石をつくってしまう。しかしこれは2つの時間系の衝突でもあるから一瞬しか持たない。アセファルはまず犬を石化した。