粒子であると同時に波動でもある It’s both a particle and a wave. 

粒子であると同時に波動でもある It’s both a particle and a wave. 

2022年12月23日

                              

色は記憶に結びついている。それはひとの記憶だけではなく、もっと古層の生物としての記憶である。

生物の目は先カンブリア紀の5億4400万年前から5憶4300万年前の100万年間に誕生したという。回折格子といわれる、生物にそなわった反射多層膜から反射される構造色を感知するようになった初期の目は、捕食とそれから逃れる両方の意味があった。そうであるならば、色というものが生物にとって深く感情と結びついていることが納得される。それは生きるか死ぬかの瀬戸際にあるものなのだ。生きものの記憶は生き延びるための記憶として肉体に刻み込まれてきた。

* 回折格子:液晶やCD裏面のような薄膜や小さな凹凸による波形構造で、そこから反射される光はその仕組みから構造色といわれる。生物でも蝶の翅や魚の銀色などがこれにあたる。構造色は動きなどにより変化するので色素色よりも見分けやすく、原始生物の目はこれをとらえていた。 参考:「目の誕生」カンブリア紀大進化の謎を解く アンドリュー・パーカー著