ギャラリーでの会話

ギャラリーでの会話

展示会場にて

Tさん:長沢さんの今回の展示を見てスペインであった80代のおばあちゃんのキリスト像修復記事を思い出したのだけどどう思う?

ながさわ:あれはよかった。ぼくもあの記事を読んでコンセプトが同じだと感じたよ。絵がおもしろいし、“いま”を肯定しきるところがすばらしいと思った。

Tさん:過去のものを壊してまで?あれはもうもとに戻らないよね。

ながさわ:過去のいいものを保存するのはもちろん大切だけど、それが“いま”に生かされなかったらなんにもならないんじゃないの。

Tさん:ふうーん。もっと大きなことがあるってこと?

ながさわ:そう。あれは象徴的な事件だよね。キリストがキリストらしくなくなって、猿みたいになったとしてもそういう現代に向き合え、と言ってるような・・・。へたとかうまいのレヴェルではなく、やっぱりいまを生きてるよ、このおばあちゃん!

Tさん:Tシャツもできているらしいよ。買おうかな。

ながさわ:いらない。