C通信74. ウラシマハナ

C通信74. ウラシマハナ

2022年2月15日

 ところがウラシマタロウにはウラシマハナという連れ合いのばあさんがいてその話によれば、ウラシマはもともと漁師で、あるときひとりで漁に出て帰って来なかったらしい。それが何年かあとにひょっこり帰って来たということだ。どこに行っていたのか、本人に聞いてもわからない。ハナばあさんのこともわからず全くの記憶喪失症になっていて、聞く度に違った答えが返ってくると言う。あるときは竜宮城の乙姫さまになってしまったり、ウラシマを運んだカメにまでなる。でも本人は記憶喪失だとは考えていなくて全部ほんとうにあったことだと言う。                                                                   仮に記憶喪失症になっていたとしても、ウラシマの話の内容は迫真性があり喪失以降の実体験にもとづいたものだろう。いつも話に出てくる石を握りしめていることもそれを証明している。それは創作でも想像でもなく、実際にウラシマタロウが持ってきたものだからだ。