C通信70. 時間と石(ウラシマの帰還) Time and stone-URASHIMA TARO
カメよりも小さいウラシマタロウは玉手箱なぞもっていなかった。しかしその手にはひとつの石が握られていた。 ところで、われらのウラシマタロウはどこからやってきたのだろう?そしてウラシマタロウとはなにものなのだろう? 浦島太郎が“助けたカメにつれられて”竜宮城に行ったことはよく知られているが、われらのウラシマタロウは海で肺に海水が入り死んでしまったひとなのだ。海で溺れ、肺呼吸ができなくなったのである。だから津波にのまれた大川小学校の子どもたちも、「肺にガラス片が入ったようだ」と言…