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私が生まれたとき、妹は死んでいた。母が言うには、最初は一卵性の双子になるはずだったらしい。母親の子宮の中で最初ひとつの生命だったのが途中でふたつに別れ、そのままふたつになるかと思いきや、片方はもう片方に養分として吸収され、最終的にはひとつになった。そこから産まれるためにヒトの形を成していき、無事産まれたのが私なのだと、母は話していた。母の子宮の中で起こった命の不思議でしかないのかもしれない。もしかしたら姉になったかもしれない。ひょっとしたら兄、または弟ができる可能性もあった。不毛な考えを話すと、私が元気に産まれてきたからそれで十分なのだとみんなそう答える。でも確かに、少しの間だけこの世界に小さく小さく在った。だからたまに「おーい」って声を投げかけてみるけど、やっぱり誰もいないようだ。                          大久未菜実(1991年生)

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私が生まれたとき… 体は地球にあったが、中身は宇宙人だった。
1995年1月31日 母の出産は、30代の初め。 3500g、重さも普通だろう。 普通ではないところといっても帝王切開なところだけだろうか。帝王切開なゆえに、予定日にさっくり、はい誕生。はい終わり。 ところが、私が小学生になって母から聞いたのは、 あんたは宇宙人。 この一言だった。 ふざけて言っているのは子供ながらにきちんと分かってはいたが、 宇宙人と呼ばれた。 なぜそう呼ばれたのか? 人に呼ばれても無視してマイワールドに入っていたし、夜中、母の布団の周りをひたすら走り続けていたり、何も無いところに目線をやったり。独り言も多い。 宇宙人ぽいところは?と言われてみると、悲しいことに思い浮かぶことが沢山ある。 私は普通の人間ではないのか。でも宇宙人だなんて急に言われても信じられないし、嘘だろうと思う。                                   でも          
父も
姉も
友達も
私のことを宇宙人と呼んだ。 宇宙人が実在しないとしたら、 私の中身は何なのか。 私が生まれるまえ… 腹の中で起きてた事件がある。 地震 阪神淡路大震災 1995年1月17日のことだ。 母はエコー検査の時、テレビでその様子を見たと言った。 沢山の人が消えた。 魂は宇宙へ向かう。 ほんの少しの狂いで魂は地球へ。 魂は私の中に入ってきた。 私の自我が出始める頃に、私の中身は交信を始めた。 その魂の友達に連絡をするために。 あれ。おかしいな。 本来の私はどこにいるのだろうか。                                     鈴木菜緒(1995年生)

他にもたくさんの文とドローイングがあります。たった2日間の展示ですが多くの人に見ていただきたいと思っています。(なおドローイングの下に掲示した文章はキャプション覧の都合上段落が詰めてあることをご了解ください。)

また冊子のデザインはデザイナーの大橋麻耶さんにお願いしました。表紙カバーの薄紙を広げると巻頭のドローイングがでてくるつくりとなっています。鉛筆の灰色の質感がうまくでているので会場でお手に取ってご覧ください。RIMG2399

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中学校教室での展示風景1

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中学校教室での展示風景2