『ほんとうの過去というものは未来のなかにしかありません。それはうしろではなくまえにあるのです。ですから「記憶にない」ということばは「記憶がない」という病理でもなく、ただ過去を目前に蘇らせたくないだけのことで、つまりは自分の未来を否定し、いまの生を否定していることになるのです。
未来とは何でしょうか?
たとえば、あなたがカメラを見て微笑んだときのそのまなざし、そのまなざしはたしかに未来の誰かに向けられているのです。はるかなそのとき、あなたは死者としてその誰かの前に現われることでしょう』
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