高レベル放射性廃棄物の行方はまだ決まっていない。地中深くにうめられて10万年後にようやくその放射能がなくなると言っても、そのときここにひとがいるのかどうか、それさえもわからない。
10万年、それはいったい時間なのか?距離なのか?銀河系の端から出た光がもう一方の端まで届くのに約10万年。あるいはホモ・サピエンスがまだネアンデルタール人と共存していた10万年前の過去。そんな時間をひとはほんとうに思い描くことができるのか。
はるかそのときには、核開発自体が人類の最大の失敗として記されているだろう。植物世界から見れば、宇宙(自然)が与えるものを超え、その廃棄物さえ解決できない人間の世界は、エネルギー対策にとんでもない失敗を犯したことになる。
帰還困難区域ではソーラー発電計画が進んでいる。そのうちにこの区域全体がメガソーラー地域となり山野はメガソーラーで埋めつくされる。人類はようやく植物のエネルギー自給方法に目覚め、それを模倣し出した。ソーラー発電は惑星と太陽との交信であり、植物と同じようにそれは宇宙と繋がる。そうしてその場は必然的に宇宙基地となる。そのときに帰還困難区域は宇宙からのひとの帰還可能区域となり、地球の先端の街となるだろう。その始まりとしてメガソーラーの敷設がある。
*C通信総覧はこちらから⇒https://nagasawahideyuki.net/news/2825.html