地元の川越で「蔵と現代美術展」ーキラキラヒカルーという展示が開かれている。キュレーターが長谷川祐子氏ということで興味津々見にでかけたが、期待に違わずおもしろい展示であった。

 仲町観光案内所での荒神明香は事故現場で拾ってきたガラス破片などを集めてシャンデリアをつくっていた。キラキラ光るものものの背後にある人間のドラマが生々しく痛い。けれども美しく輝いている。想像力の強さとつくることの原点を感じる作品だ。それは震災以降の想像力と無縁ではあるまい。

 次は亀屋栄泉の二階にある狩野哲郎のインスタレーション。様々な種類の部材を組み合わせて塔のようなものをつくっている。全く用途がないので、人間がつくったものではないような感じもする。確かマイク・ケリーだったか、架空の都市のような作品をつくっていたのを思い出してしまったが、それよりも日常の素材のせいか身近に感じる作品だ。古びたショーケースに入っているのもいい感じで、階下のお菓子の店先から二階に上ったとたんにワープしてしまった感じがおもしろい。

 3つ目は蔵づくり資料館の松本尚。資料館もいい展示をしているところだが、その2階の古びた和室を使った彼の展示は一瞬ギョッとさせる。

 何と布団がしいてあるのだ。それがなんというか異界に旅立ってしまった人の寝床みたいな感じがして強い関心を呼び起こす。絵の図柄が繰り返され、それは布団にも立体にもはがきにも描かれている。絵の新しいあり方なのかもしれない、と思うと同時に、異次元とつながる作品と和室とのマッチングのさえにも驚かされる。

 こういういい展示が川越の蔵づくりのなかで成立しているとは・・、ともかく蔵でやっているのがいい。その古さを逆手に取って現代の感覚を吹き込み、アートの意味を顕現させている。これは画廊などの空間ではあり得ない。蔵づくりのイメージが更新される展示であることは確かだ。12月1日まで。