C通信 111: 猿人、原人、旧人、新人

最古の化石人類は約700万年前のサヘラントロプス・チャデンシス(下段)。このころ、直立二足歩行を始め、人類の祖先はチンパンジーの系統と分岐する。しかしその脳容量はチンパンジーとさして変わらなかったようだ。初期の人類が生きていたころに地球上で最も知能が高かったのはイルカらしい。しかし200万年前ぐらいにホモ属が現れるとともにその脳容積は増大する。人類の進化は簡単に猿人から原人、旧人、新人へとなったと言われるがそんなに簡単なものではなく、猿人と原人の時期は重なってもいる。 上段…

C通信 110: 銀河系に横たわるひと

銀河系に横たわるほどの、はるか大きなひとがいるとする。それが足を動かそうとすると脳の指令が足につくまでに10万年もかかってしまう。そのような生きものはありえないだろう。つまり生きものとは宇宙レベルで見たら惑星の表面にしか生息しない小さなものなのだ。たとえ恐竜のような巨大な生きものでさえも。ではそのような存在はなんなのか?                                その横たわるものは死者でしかあり得ない・・・ ・・・というところがひとの思考、生きもの考えう…

C通信 109: 石化した電波望遠鏡

石化した電波望遠鏡・・・機能はないが・・・風化によって・・・時間を観測する・・・万年の、千万年の時間・・・もうだれもいない・・・だから時間も必要なくなった・・・かたちはある・・・ただそれだけ・・・

C通信 108: 石化の練習

  アセファルは着ぐるみのなかにいた。ただ日常は台所の炊事用ゴム手袋のなかにいて石化の準備と練習をしていたようだ。アセファルから見ると着ぐるみや手袋は特別な存在で、地球人の言う生物、無生物の区別を無効にするものであった。だからまずは日常にあるゴム手袋のなかで石化の実験を始めた。 アセファルによるとにんげん人の石化も参考になると言う。かつての小学校の校庭にあった二宮金次郎像のヴァリエーションはアセファルを驚かせた。アセファルはこれを燃料を背負って空中飛行をする少年がそのマニュ…

C通信 107: 戦車の石化 Turning tanks into fossils

I am working on turning a tank into a fossil (in two dimensions) First, I recombine the particles that make up the tanks and then accelerate time. However, this is also the result of a collision between two time systems, so what is created…

C通信106: 犬岩

銚子市の犬若にある犬岩は約2億年前の地層とされる。アセファル宇宙人はその星時間の約200年前にこの地に降り立っていた。

C通信104,105: 石化の方法

 石化の方法は科学では不可能だ。地球上で化石ができるのには10万年はかかる。この時間の壁はどうしようもない。しかしすべてを貫く統一した時間というものはほんとうは存在しない。もちろん個々の時間はあるだろう。地球の時間、ひとの時間、動物の時間。  小さなネズミの時間は大きな動物の時間に比べて短い、つまり短命と言われているが、その時間はたとえばゾウの時間とは違うのだから、ネズミ自身は短いとは感じないだろう。ひとはそれぞれに時間を割り振っているが、それはあくまでもひとの時間を基準に…

C通信 103: Line

・・・途中でそれを消してもう一本の別の線を引く・・先の線は間違いではないがあまりよくない・・それはそれで残る・・線には呼吸の跡が残る・・指先はその呼吸の満ち引き、感情のかすかな揺れをすべて引き取りながら線をつくろうとする・・再現不能のそのときだけのものとして・・・ボディーは幽霊としてひきさがり、Lineだけが残る・・・ 

C通信 102: 会話 つづき

ひとの姿をとらないときのアセファル宇宙人 アセファル宇宙人  「だから、問題はこれを受け取る側にあるんだ。生成AIがつくった線なり絵を好む人間もでてくるだろう。人間のもつ曖昧さや微妙さを嫌う人も必ずいる。  それよりもむしろ体を失う事態が急激に進行しているから、そのような傾向は自然なのかもしれないな。生成AIの発達と体を失うことはパラレルに進行していくことなんだ。アセファル惑星でも同じことが起こり、一部のものはそうした事態に抵抗して脳第一主義をやめたんだ。脳の延長方向だけの…

C通信 101: アセファル宇宙人会話、生成AI

*アセファル宇宙人について:C通信48参照 かたちをもたないであらゆるものに入り込む。着ぐるみのキャラのなかや容器のようなもの、さらにことばや音のなかにも入り込む。 アセファル宇宙人  「最近はにんげん人の世界にかたちをもたない“生成AI”が出てきた。こちらもかたちがないからよく間違われるけどちょっと違う。もっと根本的なことで言うと、“あらゆる文明はかたちを失う”というのがアセファルの惑星の結論なんだ。もちろんどの惑星の文明も道具を発明しそれを利用してきたから、それはかたち…