「第五福竜丸 ゴジラ 1954→2014」 丸木美術館

「第五福竜丸 ゴジラ 1954→2014」 丸木美術館

2014年8月31日

  9月13日(土)から丸木美術館でゴジラの展覧会が始まる。

 正式な名称は「第五福竜丸 ゴジラ 1954→2014」で会期は11月15日(土)まで。学芸員の岡村さんが川越市立美術館での「大きいゴジラ、小さいゴジラ」展を見、九月に予定していた展覧会に展示しないかというお話をいただいた。丸木美術館といえば、丸木位里さん、俊さんの原爆の図で知られているが、私の好きな丸木スマさんの絵も多数展示されている。展示の巡回の可能性も考えていたこともあり二つ返事で了承した。

 粟津潔さんのポスター、黒田征太郎さんの絵の展示があり、その奥にゴジラの展示の部屋がある。川越での展示とは若干の違いが出る予定だが、根本のテーマは変わらない。また11月には夢の島にある第五福竜丸展示館での展示も決まっている。こちらは船の存在感がとてつもなく大きいので、「ゴジラ」をどの程度そこに入り込ませてもらえるのか難しい。

 ゴジラはもちろん原爆とも第五福竜丸とも関係ある。そのことは「大きいゴジラ、小さいゴジラ」展の趣旨文にも書いたが、原爆や第五福竜丸の展示の側からゴジラを積極的にとりあげることはなかったように思う。それはフィクションであり、ゴジラがあまりにも怪獣映画のヒーローとして定着してしまったということもあるのだろう。

 しかし想像力という問題から考えれば、フィクションは2011年の震災、原発事故ともつながって極めてリアルなものとなる。接続の回路は逆転するのだ。ふたつの展示のオファーはそのような回路の証明でもあろう。

 1954年の「ゴジラ」の存在は大きい。それゆえにゴジラを想像力の問題として復活させることは可能である。

会期中の主な企画などは以下のURLから。  http://www.aya.or.jp/~marukimsn/

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