数量化は明らかな失敗だった。時間の前後とその量ができてあらゆる計測も可能になったが、それがどういうものかわかった気になっただけで、重要なことはなにひとつわかってはいなかった。時間の数量化など、土台無理な話であった。  

 オレたちがそこで見たものは一見平面的にも見える時間図だった。2次元的に展開されているようだが、これも正確に言えば数学的な2次元のものではなく、例えて言えば生きたイカの表面に現れる動く光子模様のようなものであった。それは一瞬と無限が一緒になり、あらゆるできごとの点で構成され、変化し続けていた。

 それは黒い光を放っていた。ひとつひとつのその光は他の黒い光とつながり、星座をつくるように蠢いていた。